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Hさんの巾着ポシェット
手縫いで巾着型のポシェットを作る為に革をお求めのお客様には、タンニン鞣しでも柔らかめをオススメしています。絞り口が締まらないのでは?と懸念する為です。
しかし、革の色と風合いに魅かれてしまったHさんは固めで裏仕上げしてある約2ミリ厚のロウ引き革を選ばれました。
弓道のカケ(弓をひくときに右手につけるプロテクター)入れと、当店の先代が作った巾着の形からヒントを得て生まれた作品です。

出来上がりを見せて頂いた時、感心してしまいました。
口を締めた時の全体のフォルムが美しいのです。
ハリ感が良いアジを出しており、まるで陶器の壺を思わせるシルエット


絞り口を革で製作。このカシメの位置が程よくて、丸牛レースがキュっと締まる手加減が気持ちよい!

革がなるべく重ならない様に、少しカットして逃がす工夫で全体がすっきり。
カーキ色の革に緑のステッチが上品に映えています。

しっかり締まるし気軽にモノを出し入れできる巾着ポシェット。
早速ご友人の手に渡りました。
こなれてきたアジが楽しみですね!